思春期でも子供が話しかけてくる親子関係になる5つのポイント

相談者さん
相談者ママ
小学生の頃は口喧嘩ばかりの息子が、中学に入って話もしてくれないので、学校生活や勉強のこと心配事が絶えません。
どうしたらもっと話せる親子関係になるのでしょうか?
ジリ
ジリ
親としては、成長過程と思いながらも心配は絶えませんね。
今回は、思春期に入っても話せる親子関係のコツをお話ししましょう。

苦しくない距離感を大切にする

「話さない」の理由の一つには、お子さんは常に心配しているお母さんを感じて、苦しくなっているのかもしれません。
まずは「話しやすい環境」とはどんなものか考えてみましょう。
思春期で子供は、親に対しても客観的な目を持ち、自分が生きていく上で大切なことを考え始めます。
親が常に側にいてあれこれ詮索すると、子供は苦しくなってしまいます。

一方で、親が「何か話したくなったら言ってね」と距離感をとっていると、子供は信頼されていると感じて心を開きやすくなります。
親が子供を信頼するというのは、常に正しいことをしていると信じることではありません。
わが子はどんな経験でも、四苦八苦しながら自分の力で選択し、学んでいける子供だと信じることです。

一昔前に思春期における反抗期は、成長過程のひとつと言われましたが、
現代では、青年期の子供の自律性を求めることを認めない親の態度との関係が要因だと言われています。

成長する上で「話さなくなった」という外的な変化はすぐわかりますね。
見えない子供達の内側では、起こったことに対して葛藤しながら考え選択をしています。
その事実を私達親は、「見えなくても頑張ってるんだな」と理解しましょう。

「私はあなたの味方だから、助けが必要な時はいつでも声をかけてね」というあり方が大切です。

子供の言動を評価せずに純粋な興味を持つ

思春期になると、趣味、ゲーム・友達とのlineなど、夢中になるものが親から見えにくいですね。
もちろん遊びには、終わりの時間などの基本ルールを作ることが大切です。
それ以上に大切なことは、子供達は好きなものを通して多くの経験や学びをしていると、親が理解することです。

子供がどんなものに夢中になっているのか?
どんなことに魅力を感じているのか?
遊びの中でがんばったことや気づいたことは何か?
純粋に興味を持ち、子供に尋ねてみましょう。

子供自身が、夢中になっていることからワクワクや楽しさの源を知ることで、将来人生の決断や選択をするときのヒントになります。

我が家では私が、中学生の息子のインターネットゲームに参加します。
私はゲームはできませんが、見るのが好きで、息子や友達に説明してもらいながら楽しんでいます。
息子の友達ともゲーム上でお喋りが出来るので、どんな会話をするのかが聞けて面白いのです。
見ていて気づいいたのは、子供達同士の強みを認め合い、チームの力として上手に活用していることです。
子供達は、大人になって必要なことを、すでにゲーム上で学んでいると知りました。
とうとう先日息子から言われました。

「ゲーム始めるなり、お前のお母さん面白いから出してよ!!ってみんながいうのさ。」
「かあちゃんと話して盛り上がると、集中できずにゲーム負けちゃうからしばらく見学禁止だよ!」

・・・まさに距離感大事ですね~。

親が聞きたいことより、子供が話したいことを多く聞く

すぐに実践できる聞くための3つのテクニックがあります。

・子供が話したいことをただ「聞いてるよ~」と言う相槌
・「へー〇〇だったんだあ~」とオウム返し
・「それはいやな思いをしたんだね~。」など共感をする

とは言え、親の心配事は色々と尽きません。

「学校での人間関係は?」
「先生は子供をどう見ているの?」
「勉強してる?宿題はできたの?」
「テストの結果はどうなの?」などなど。

そして、聞いていると話があちこちに飛んだり、要点を得ない話に言いたいことが浮かんできますよね。

「え?なんて言ったの?」
「要点はなに?」
「ママはそうは思わないんだけど・・」

思わず子供の言いたい気持ちを削ぐような言葉が、無意識に出てきてしまいます。

聞く上で一番大切なことは、「急がば回れ」が合言葉です。
親の知りたいこと、意見や評価を一旦横におくことが大切です。

常に話したい時に話せる環境だと、結果親が聞きたい情報も子供からの信頼を得て聞くことが出来ます。

好きなことを話しながらお互いの価値観や大切なことを理解する

親の価値観や大切にしていることを知ってほしい、伝えたい時にはどうしたらよいでしょう。
目の前に座らせて長々と話すお説教よりも、子供が受け入れやすい方法があります。

お互いの価値観を尊重し話せると、子供が自分を認めてくれていると感じて自己肯定感も上がります。

おすすめなのは、お互いの好きなドラマや映画・本などを通して、感じたことを話すことです。
我が家は月に何回か、土日の夜は時間制限なしの母と息子の映画デーになっています。
お互いに好きな映画を出し合い、何作も見て感想を言い合います。

「なんで〇〇役を見ていてむかついたの?」
「自分だったらどうしてた?」

仮想現実の中で自由に想像しながら、質問をお互いに掛け合います。
軽やかに、自分は何を大切にしているか話せる上に、お互いの大切なことを尊重して認めることが出来ます。
私はこの満ち足りた母子時間を、この先どれくらい共有できるだろう?と思いながら、とても大切にしています。

ダブルバインドな発言に注意し、相手を尊重できる自分を築いていく

「ダブルバインド」とは、2つの矛盾したメッセージを相手に伝えることで、混乱させてしまうコミュニケーションのことを言います。
親が常にダブルバインドな発言を子供にしていると、そのメッセージの2つのどちらを選んだとしても親を満足させられないと感じてしまいます。
長期間この状態が続くと、子供の自己肯定感が下がり心も不安定になってしまいます。

「自分の人生だから自分で選びなさい」

私は、そう母に言われました。
そして私が自分で選択をする時には、こう言われました。

「それは〇〇だからよくない」
「そんなものを選ぶの?」
「お母さんを一人にするの?」・・・

私は、逃げ場がなく苦しみ続け、人間関係にも影響を及ぼしました。

ダブルバインドにならないために親が自分を見直すポイントがあります。

・子供をコントロールしていないか?
・子供を自分の正しさで評価していないか?
・自分自身に厳しくなっていないか?
・自分自身がやりたいことを許可しているか?

私自身も毎日育児でトライ&エラーを繰り返しながら、出来るようになってきました。
その中で、小学3年生のダンスを習っている娘との会話の良い例があります。

娘:「私、将来はダンサーになりたい。」
私:「ダンサーになると、どんなことが出来るのかな?」
娘:「う~ん・・自分の思う通りに踊ること・・私は自分のことを自由に表現したいんだ」
私:「表現したいんだね~。とても大切なことに気づいたみたいだね!例えばその自分を表現するならば、ダンス以外にどんなものがありそう?」
娘:「演劇とか・・歌手とか。そういうのもやってみたい。あ、最近詩を書いてるんだよ」
私:「素敵な詩だね!!詩も、歌も言葉やダンス、表現方法が沢山あるね。ダンスも素敵だけど、あなたにはたくさんの経験をして何をしたいかを選んでいってほしいな~。」
娘:「話してたらなんだか楽しくなってきた!色々やってみるよ!」

私が伝えたかったのは、ダンスがダメということではありません。
好きなものを通して、自分のワクワク・楽しさの源は何か?に気づいてほしかったのです。
彼女の場合は「自分を表現する」でした。
それを実現するには、他にも何があるか?沢山の選択肢にも目を向けてほしかったのです。

私自身が、母に言ってほしかった言葉を親になって子供に伝えながら、同時に私は自分にも伝えています。
相手を尊重する自分を築くには、自分に対しても尊重して受け入れることが必要だからです。

まとめ

いかがでしょうか?今回は思春期でも子供が話しかけてくる親子関係のコツをお話しました。

〇苦しくない距離感を大切にする
〇子供の言動を評価せずに純粋な興味を持つ
〇親が聞きたいことではなく、子供が話したいことを聴く習慣を作る
〇好きな話題で会話をする中で、お互いの価値観や大切なことを理解する
〇ダブルバインドな発言に注意し、相手を尊重できる自分を築いていく

良好な親子関係を築くには、親自身が常に自分の選択を尊重し許可をしていること。
その上で子供に対して、「あなたの選択を尊重します。そして必要であれば、私にサポートさせてね」という意識を持つことです。

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